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熊野参詣道くまのさんけいみち

熊野参詣道

熊野三山は紀伊半島南東部に位置し、京の都からも日本各地からも遠いため、参詣者それぞれの出発地に応じて大きく分けて三つの経路が開かれた。

第一の経路は紀伊半島西岸を進むもので、12世紀末に成立した『梁塵秘抄』には「紀路」と記されている。この経路は、途中で山中を進む「中辺路」と、海岸沿いに進む「大辺路」の二本に分岐する。

第二の経路は紀伊半島の東岸を歩む道で、『梁塵秘抄』には「伊勢路」と記されている。第三の経路は、高野山と熊野三山を結ぶ道で「小辺路」と呼ばれる。

熊野三山への参詣は平安時代中頃から始まり、室町時代まで盛んに行われ、多くの参詣者が列をなして歩んだことから「蟻の熊野詣」と形容された。古代・中世と熊野三山への参詣に利用された熊野参詣道は、近世には熊野三山への参詣をも含む西国巡礼の経路とされ引き続き盛んに利用された。

熊野参詣道マップ

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